介護事業の売上はどこに使われているのか?

私は現場よりの人間ではありません。

どちらかといえば経営者よりの人間です。

経営者の一番の課題は、事業が続けられるかにあります。

そのためには損益が黒字でないと継続できません。

では、介護事業の損益状況はどうなっているのか?

今回はそんな話をしたいかと思います。

閉鎖する特別養護老人ホーム

今月いっぱいで閉鎖する、静岡県の特別養護老人ホームのことを思い出しました。

無責任ですね。

社会福祉法人は民間企業と比べて助成金制度や税制では有利です。

それでも閉鎖するということは、よっぽどのことです。

まあ、処遇改善加算しか取っていない点だけでもひどいとは思っていましたが・・・。

福祉業界はもうかるのか?

民間企業で介護事業を営んでいる場合、常に黒字にしておかないと倒産してしまいます。

黒字にするためには、売上を増やして経費を減らせすことが必要です。

売上を増やすには、稼働率を上げるしか方法はありません。

逆に経費を減らすということですが、一番何に使われるのか?

実は皆さんの給料に支払われる人件費なのです。

ほんとかよ?と思う人のために会計ソフト会社TKCで公表している、TKC経営指標(BAST)というものがあります。そこに、要約版・速報版がありまして、 サービス業の中に「その他の老人福祉・介護事業」「 訪問介護事業 」 がありますので、参考にしてください。

この中で注目してほしい指標は、「労働分配率」と「損益分岐点比率」でしょうか。

「労働分配率」とは、売上から変動費(事実上、食材費)を引いた「限界利益」の中に占める人件費の割合だと思ってください。

ちなみに、人件費は給料の他にボーナスや会社が払う社会保険費も含まれます。

その割合が黒字の企業では67%ということなんですね。

一般的に介護事業では売上高に占める変動費は10%くらいだといわれていますので、売上高人件費率では61%くらいでしょうか?

つまり、100万売上げがたつと、61万円は人件費で消えてしまっているのです。

残ったお金で食事や光熱費や家賃などで支払われるわけです。

一方、「損益分岐点比率」とは、MAXの定員に対して必要な稼働割合です。

これが、福祉事業では93%です。

例えば、定員100名の特養だと毎日93名が利用していないと赤字になるということです。

8名以上、入院させるなということです。

一見、楽勝のように見えます。

しかしグループホーム(2ユニット)だと、定員18名に対して1名入院してしまうと稼働率が94.4%となるので、ぎりぎりな数字であるとご理解いただけますでしょうか?

福祉業界で使われるデカい買い物は何か?

では黒字でためた利益はどこで消えているのか?

多くは修繕と「大きい買い物」のために費用が発生します

修繕は施設とモノの修繕に分かれます。

施設の修繕

施設の修繕で考えられるのは壁・床の補修です。

特に床は車いすが利用することで重量の負担が大きくなるので傷みやすくなります。

畳の上で車いすを利用する場合、早ければ1~2年くらいで交換する必要が出てきます。

モノの修繕

モノの修繕は、送迎車とエアコンやセキュリティ、意外なところではIT関連などに使われます。

営業車両は新古車の軽自動車でも100万円以上かかります。

だいたい使用年数は6年前後でしょうか?

エアコンは高齢者が対象なので使用頻度は一般家庭と比べて高いです。

特に冬場は設定しないときの温度と比べて差が激しくなるので痛みやすくなります。

結果、家庭用のエアコンと比べて耐用年数は低くなります。

IT関連とは請求ソフト、運営ソフト、これらを守るセキュリティソフト、さらにはOS更新やPCの購入代金にも費用がかかります。

特に運用ソフトを使用しないと事務処理が莫大になるので導入せざるをえませ。

業務用で使用するPCの寿命は3年程度ともいわれています。

買い替え費用もバカにならなくなっています。

以前と比べて金融機関からの融資は受けられやすくなったとはいえ、企業はそりゃ内部留保するわなという事情を知ってもらいたいと思い、記事をかいてみました。

経営者は儲かっているのか?

ちなみに経営者は儲かっているじゃないか?ときかれます。

年収ベースでいえば他事業の経営者と差はないと思われます。

経営者は「成功は自分のもの、失敗も自分のもの」です。

利益がでないところは、ボランティア状態になっている方もいらっしゃいます。

参考になりましたでしょうか?

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