【調査報告】居宅介護支援の基本報酬が2.3%上がれば採算は黒字継続化できます。

サムネイル画像

セミナーが6日に行うため、資料を作っていました。

そしたら、どうしても納得できない事実が出てきました。

居宅介護支援(以下、居宅)が、利益ベースで赤字だったのです。

居宅とは、ケアマネージャー(ケアマネ)が要介護認定の申請や、利用者様の居宅サービス計画(ケアプラン)を作成するサービスです。

なぜ、毎回毎回、儲からないのだろうか?

現状を調べてみました。

なお、これから話すことは専門外の人間が統計を基に話す内容です。

ツッコミどころがあれば、遠慮なくご指導ください。

居宅は、どれくらい儲からないのか?

サムネイル画像

根拠となり資料です。

いつものように 平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要から引用しました。

今回は、居宅の経営状況をまとめてみました。

一人当たり利用者数36.6名
事業収益1,140千円
事業経費 1,129千円
→給与費(人件費率) 951千円(83.4%)
 →減価償却費(減価償却費率)17千円(1.5%)
営業利益(営業利益率) 11千円(1.0%)
経常利益(経常利益率) 10千円(0.9%)
税引前当期純利益( 利益率)△1千円(△0.1%)
純利益(純利益率)△4千円(△0.4%)
ケアマネージャ(ケアマネ)常勤換算数 2.5人
常勤ケアマネ給与費 355,543円
非常勤ケアマネ給与費 294,705円

まず、法人税等が発生しない 税引前当期純利益 の段階で赤字です。

そして純利益率が赤字です。

これ、おかしいです。

なぜか?

一般的に企業の売上高は、客単価と客数の掛け算になります。

ところが介護業界は客単価と客数どちらも自分たちで事実上決められません。

まず客単価は、厚生労働省が決めます。

そして、客数も限度があります。

居宅の場合、事実上、客数が40名までしか受け入れられません。

40名を超えると、今度は客単価が下げられます。

つまり、事業としての収入には上限があります。

この状態でまともに事業をしていると赤字になります。

いかに居宅の経営状態が異常であるか分かるかと思います。

いつから居宅は儲からないのか?

サムネイル画像

私は、業界に入って新参者です。

ただ、介護報酬の改正は3回経験してます。

でも、経営概況をその都度見ていますが、居宅が黒字になった記憶がありません。

いつから、赤字が恒常化しているのか?

「介護事業経営概況調査:結果の概要」を過去にさかのぼって調べてみました。

※純利益は、平成25年度から調査されています。

税引き前利益(利益率)純利益(純利益率)
平成15年度△113(△12.9%)
平成18年度△145(△15.8%)
平成19年度△126(△0.1%)
平成21年度△37(△17.0%)
平成22年度△25(△2.6%)
平成25年度△31(△3.1%)△36(△3.6%)
平成26年度△34(△3.5%)△36(△3.8%)
平成27年度△18(△1.8%)△21(△2.1%
平成28年度△14(△1.4%)△17(△1.7%)
平成29年度△2(△0.2%)△5(△0.4%)
平成30年度△1(△0.1%)△4(△0.3%)

表を見る限りだと、少しづつですが赤字額が減少されています

平成18年度ってこれ、年間174万円赤字がでていたとは・・・・。

しかし、依然として赤字は赤字です。

赤字が減少した原因は?

サムネイル画像

では、赤字が減少した原因はどこにあるのか?

単価が上がったのか?

ケアマネ一人あたりの抱える利用者数なのか?

これも、グラフに直してみました。

ケアマネ一人あたりの利用者数
平成15年度40.9
平成18年度26.3
平成19年度27.2
平成21年度33.1
平成22年度27.1
平成25年度27.1
平成26年度
平成27年度37.0
平成28年度35.0
平成29年度
平成30年度36.6

これを見る限りだと、相関関係は見られないようです。

となると、単価が上がったという事でしょうか?

でも、まだまだ単価が上げる必要があるようです。

では、どれだけ単価を上げる必要があるでしょうか?

居宅が儲からないと、どんな支障が出るのか?

サムネイル画像

でも、その前に、なぜ居宅が儲かる(少なくとも利益率が黒字である)必要があるのか?

様々な理由から挙げていきます。

新規参入が起こらない

当たり前ですが、民間企業は収益が黒字化することが期待できないと事業は続けられません。

事業が続けられないものに投資をするでしょうか?

赤字が恒常化すると、新規に参入する気にはなりませんよね?

結果的に業界が活発化しません。

ケアマネの質と量が確保できない

新規に参入できない事態になるとどうなるのか?

ケアマネさんの受け皿がなくなります。

ケアマネさんのケアマネとしての仕事を発揮する機会が失われます

これは、ケアマネの量が確保できなくなります。

そして、雇用されるはずのケアマネさんは、仕事の経験が積めなくなります。

これが、ケアマネの質も確保できなくなることになります。

ケアプランが自法人に偏る

平均的な経営モデルが赤字だとどうなるのか?

法人の立場であれば、居宅を廃止するか、居宅を別目的にとらえ直すと考えるでしょう。

居宅を自事業所への営業部隊としてとらえるということです。

もし独立採算で成立するなら、自事業所への誘導のプレッシャーは露骨にならなくなります。

利用者様の望むケアが受けられない

自分たちの事業所に露骨に誘導するとどうなるのか?

まず、ケアマネさんが苦しみます。

「この利用者様はA施設での利用が効果的だが、法人の都合でB施設に行かせないといけない」

このような葛藤が、今よりも少なくなります。

まして、利用者様は同じサービスで法人ごとの違いが分かる方は少ないと思います。

だからケアマネさんに託しているのだと思います。

このような事態を減らすためにも、居宅は黒字化が必要になります。

では、どれだけあれば、居宅は採算が取れるのか?

サムネイル画像

まずは、純利益が黒字であること、これは必須です。

そして、介護事業費用の減価償却費に注目してください

減価償却費というのは、バカ高い買い物を使用年数や月で割った費用になります。

例えば新車を216万円で買った場合、耐用年数は6年なので月3万円の費用とみなします。

(ホントはもっと複雑ですが、あくまで事例です)。

居宅で発生する減価償却費とはなにか?

おそらく営業車両、さらに社会福祉法人なら土地、建物の一部でしょうか?

いずれにせよ減価償却分を回収しないと、将来の修繕・購入は法人の持ち出しになります。

これは法人としては頭を悩ます対象になります。

そのために最低限でも法人内の減価償却分は純利益として確保しておく必要があります。

今回の統計では、17千円ですね(平成30年度)。

これを確保する必要があります。

そうなると一般的に法人税等は利益の1/3発生するとして・・・

税引前利益は25.5千円ほど確保する必要があります。

で、あとは、あれこれ計算するのですが・・・。

最終的に、介護保険収入は1,163千円必要になります。

いまよりも、たった2.3%介護報酬が上がれば解決できます。

基本報酬なら要介護1,2なら24単位、要介護3-5なら31単位上がれば解決できます。

これは、声を上げる必要があると思いますが、いかがでしょうか?

まとめ

  • 昔から居宅は赤字でしたが、最近はまだマシになりました
  • 事業は独立採算で黒字化しないと、いろんな面で誰も得しない展開になります
  • 2.3%基本報酬があがると、様々な問題がクリアできます
  • スージー・クワトロといえば、the wild oneでしょうか?

小山邦広からのお願い

私、小山邦広は介護に関する情報を毎日更新しております。

研修・経営のお悩み、ブログのリクエスト、お仕事ご依頼、そのほかのお問合せは

《こちらをクリックしてください》

私、小山邦広に興味を持たれた方は、FacebookやTwitterでもアカウント持っております。

画面下にある「小山邦広をフォローする」の下にあるアイコンを押してくださいませ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました